子ども乗せ自転車で足が車輪に巻き込まれるのを防ぐには?幼児用座席・足乗せ・ドレスガードを確認

子ども乗せ自転車の幼児用座席と後輪まわりの足元を確認する保護者のイラスト ヘルメット・安全グッズ

送迎や買い物に出かけるとき、「幼児用座席には座っているから大丈夫」「足乗せが少し壊れているけれど、今日は近所だけだから」と考えたことはないでしょうか。

ただ、走行中に子どもの足が後輪やスポークへ入ると、大きなけがにつながるおそれがあります。消費者庁にも、車輪に足が巻き込まれ、縫合や皮膚の移植が必要になった事例が報告されています。

この記事では、走行中の子どもの足の巻き込み防止に絞って、走り出す前に何をどう確認すればよいかを整理します。

この記事でわかること

  • 子どもの足が後輪やスポークに巻き込まれる事故で、どんな場面が危ないのか
  • 走り出す前に、幼児用座席と足乗せ部のどこを確認すればよいのか
  • 足乗せ部に異常があったとき、どう判断すればよいのか
  • ドレスガードがどんな役割で、どこまで頼れるのか

結論|子どもの足は走り出す前に毎回確認する

子どもの足の巻き込みを防ぐために、走り出す前に次の点を確認してください。

  • 幼児用座席を正しく使っている(荷台へ直接乗せない)
  • 子どもの足が左右とも足乗せ部に収まっている
  • 足乗せ部に破損・変形・ぐらつきがない
  • 座席自体の取り付けにも異常がない

足乗せ部や座席に異常があれば、そのまま使い続けないでください。

また、ドレスガードは本来、スカートやコートなどの衣類が後輪へ巻き込まれるのを防ぐための部品ですが、子どものスポーク外傷対策としても幼児用座席と組み合わせて装備することが案内されています。ただし、ドレスガードだけで幼児用座席の代わりになるわけではありません。幼児用座席を使い、子どもの足を足乗せ部へ置いたうえで、足元まで確認することが大切です。

なお、子どもを乗せられる年齢や人数などの条件は自転車の二人乗りは原則違反|子どもを乗せられる条件と注意点、停車中の乗せ降ろしと転倒防止は子ども乗せ自転車の乗せ降ろしで転倒を防ぐには?乗せる・降ろす順番と停車中の注意点で確認できます。この記事では扱いません。

子どもの足が後輪に巻き込まれる「スポーク外傷」とは

子どもを後部座席に乗せた子ども乗せ自転車の生活場面

走行中に足が後輪へ入ると大きなけがにつながる

スポーク外傷とは、自転車に同乗している子どもの足が、走行中に後輪のスポークなどへ巻き込まれて起こるけがです。すり傷や切り傷だけでなく、ねんざや、事故の状況によっては大きなけがにつながることがあります。

消費者庁は、子どもを同乗させた自転車で、後輪への足の巻き込みが継続して発生していると注意を呼びかけています。荷台に子どもを直接乗せて走行し、車輪に足が巻き込まれて骨折した事故も報告されています。

こうした事故は、転倒や衝突がなくても、ふつうに走っている途中で起こることがあります。だからこそ、走り出す前の確認が大切になります。

足乗せ部が壊れたまま使った事故も起きている

消費者庁には、次のような事例が医療機関から寄せられています。幼児用座席に乗せて走っていたところ、車輪に右足が巻き込まれました。その約1週間前に足乗せ部が破損していたものの、そのまま使っていたといいます。かかとの傷が深く、16針縫合しても治癒せず、処置を続けたあとに皮膚の移植が必要になりました(6歳)。

また、製品評価技術基盤機構(NITE)も、足乗せ部が脱落した幼児用座席や、走行中に足乗せ部が破損した幼児用座席で、子どもの足が後輪に巻き込まれる事故があるとして、取り付け方法と足乗せ部の変形などの確認を呼びかけています。

この事例から分かるのは、「壊れていることに気づいていたが、そのまま使った」という状態でも事故が起こり得るということです。異常を見つけたら、「短い距離だから」と使い続けないことが重要です。

足が車輪へ巻き込まれやすくなる場面を確認する

買い物先で子どもを後部座席に乗せた子ども乗せ自転車の場面

幼児用座席を使わず荷台へ直接乗せる

未就学児を同乗させるときは、年齢や体重に合った幼児用座席を使用するよう消費者庁は呼びかけています。荷台に子どもを直接乗せて走行し、車輪に足が巻き込まれて骨折した事故があるためです。

荷台へ直接座らせると、足を置くための足乗せ部がありません。「少しの距離だから」という理由で荷台へ直接乗せることは避けてください。

足が足乗せ部から外れている

幼児用座席に座っていても、足が足乗せ部から外れていれば、後輪へ近づく可能性があります。消費者庁は、幼児用座席を使う際、足など身体の一部が座席からはみ出さないよう子どもに声をかけることをすすめています。

子どもを乗せたら、走り出す前にもう一度、左右の足の位置を目で見て確かめましょう。足が外れていたら、そのまま発進せずに直します。

足乗せ部が破損・変形している

足乗せ部が割れたり、曲がったり、外れかけたりしていると、子どもの足を所定の位置に保てなくなる可能性があります。NITEは、足乗せ部が脱落した場合や、走行中に破損した場合に、子どもの足が後輪へ巻き込まれる事故があると示しています。

実際に足乗せ部が壊れたまま使われた事故もあるため、異常に気づいたら使用を続けない、という基準で考えてください。

子どもの体格が座席に合わなくなっている

消費者庁は、幼児用座席について、体重の上限や目安身長の範囲内かを確認するよう案内しています。政府広報オンラインでも、子どもの体格によって足乗せ部から足がはみ出すと、車輪へ巻き込まれる可能性が高くなると説明されています。

久しぶりに乗せるときや、子どもが大きくなってきたときは、足が足乗せ部へきちんと収まるか、使用している幼児用座席の適用範囲内かを改めて確認しましょう。

幼児用座席と足乗せ部はここを確認する

子ども乗せ自転車の幼児用座席と足乗せ部を確認する場面

子どもの足が左右とも足乗せ部に収まっているか

子どもを座らせてシートベルトを締めたら、左右の足がそれぞれ足乗せ部に載っているか、目で見て確認します。片方だけ確認して終わらせず、左右とも見てください。

  • つま先やかかとが足乗せ部から外へ出ていないか
  • 足が座席の外へはみ出していないか
  • 足を足乗せ部から外していないか

「足はここに置いたままにしてね」と声をかけることも大切です。ただし、声をかけただけで終わらせず、出発前には実際の足の位置を確認してください。

足乗せ部に割れ・変形・ぐらつきがないか

足乗せ部は、子どもを乗せる前に状態を確認します。

  • ひびや割れがないか
  • 曲がり、ゆがみなどの変形がないか
  • ぐらつきや外れかけた部分がないか

NITEは、足乗せ部に変形などの異常がないか確認するよう示しています。いつもと違う状態に気づいたら、そのまま使用しないでください。

座席自体の取り付けに異常がないか

足乗せ部だけでなく、幼児用座席そのものの取り付け状態も確認します。政府広報オンラインでは、幼児用座席は販売店で適切に取り付けてもらうよう案内しています。また、座席や荷台にぐらつきがないかなども点検するよう示しています。

すでに使っている座席でも、ぐらつきや異常を感じた場合はそのまま使わず、販売店などへ相談してください。自転車全体の点検については、自転車の点検はどこを見る?ブレーキ・タイヤ・ライトの基本チェックも参考になります。

異常があればそのまま使い続けない

足乗せ部の破損や変形、座席の取り付けの異常が見つかったら、その状態で子どもを乗せて走らないでください。

政府広報オンラインも、幼児用座席に破損・変形・傷がないか、座席や荷台にぐらつきがないかを点検し、異常があれば使用せず、販売店などへ相談するよう案内しています。

その日の移動方法を変更する必要が出るかもしれませんが、異常が分かった状態で使い続けないことが重要です。

ドレスガードは足の巻き込み防止を補助する

子ども乗せ自転車の後輪ドレスガードを親子で確認する場面

ドレスガードは後輪への入り込みを防ぐ補助になる

ドレスガードは本来、運転者のスカートやコートなどの衣類が後輪へ巻き込まれるのを防ぐための部品です。一方、政府広報オンラインでは、ドレスガードがない自転車のほうが同乗者の足が車輪へ巻き込まれやすいというデータを紹介し、幼児用座席を取り付ける自転車にはドレスガードも装備するよう案内しています。

ただし、ドレスガードは幼児用座席の代わりになるものではありません。子どもの足を足乗せ部へ正しく置くことと組み合わせて使います。

ドレスガードだけに頼らない

消費者庁には、次のような事例が報告されています。借りた自転車の荷台に子どもを乗せて走行中、左足がスポークに挟まり、かかとを8針縫合し、2週間連日の通院が必要になりました。後輪にはドレスガードが付いていたものの、子どもの足はそれよりも下にあったといいます(6歳)。

ドレスガードが付いていることは、幼児用座席や足元の確認を省いてよい理由にはなりません。

幼児用座席と組み合わせて確認する

足の巻き込みを防ぐため、走り出す前に次の順で確認してみてください。

  1. 年齢や体重に合った幼児用座席を使い、荷台へ直接乗せない
  2. 足乗せ部に破損・変形・ぐらつきがないか確認する
  3. 子どもの足が左右とも足乗せ部に収まっているか確認する
  4. ドレスガードも装備し、一つの対策だけに頼らない

「幼児用座席がある」「ドレスガードがある」という一つの条件だけで安心せず、座席・足乗せ部・子どもの足の位置まで一緒に確認することが重要です。

普段の送迎で起こりやすい場面を具体的に考える

保育施設への送迎で子ども乗せ自転車を利用する親子の場面

急いで出発して足元を見ないまま走り出す

朝の送迎は時間に余裕がなく、子どもを座らせてシートベルトを締めたらすぐに出発したくなる場面です。このとき、足元まで確認していないことがあります。

子どもを乗せたあとに、左右の足が足乗せ部へ載っているかを見る。この確認を毎回の流れに入れておくと、急いでいるときにも抜けにくくなります。

足乗せが壊れたが「今日は大丈夫」と使い続ける

足乗せ部にひびや変形があっても、「近所までだから」「今日だけだから」と使いたくなることがあるかもしれません。

しかし、消費者庁に報告された事例では、足乗せ部が約1週間前に破損したまま使い続けた結果、足が車輪へ巻き込まれ、大きなけがにつながっています。異常を見つけたら、その状態では使わず、販売店などへ相談してください。

久しぶりに乗せたら子どもが大きくなっていた

数か月ぶりに後部座席へ乗せると、以前より子どもの体が大きくなり、足が足乗せ部から外れやすくなっていることがあります。

このときは、足の位置だけでなく、幼児用座席の体重上限や目安身長など、現在の子どもの体格に適しているかも確認します。以前使えていたから今回もそのままでよい、とは考えず、今の状態を見て判断しましょう。

譲り受けた自転車や幼児用座席をそのまま使う

家族や知人から譲り受けた自転車や幼児用座席では、これまでの使用状況が分からない場合があります。

使い始める前に、足乗せ部の破損・変形、座席や荷台のぐらつき、取り付け状態などを確認しましょう。不安な点や異常がある場合は、そのまま使い始めず、販売店などへ相談してください。

まとめ|走り出す前に子どもの足元まで見る

子どもの足が後輪やスポークへ巻き込まれる事故を防ぐために、走り出す前に、子どもの足が左右とも足乗せ部に収まっているかを確認してください。

あわせて、足乗せ部に破損・変形・ぐらつきがないか、座席や荷台に異常がないかも確認します。異常があれば、その状態では使用しません。ドレスガードも装備したうえで、それだけに頼らず幼児用座席と足元の確認を組み合わせます。

次に子どもを乗せるときは、走り出す前に足元まで見る。この確認を毎回の習慣にしていきましょう。

参考情報・出典

この記事は、次の資料をもとに作成しています。