自転車用レインウェアの選び方|視界・裾・動きやすさ・反射材を安全面から確認

自転車用レインウェアを着て、フードの視界や裾の位置を確認している様子 ヘルメット・安全グッズ

雨の日に自転車で出かけるため、レインウェアを探し始めた。通販サイトを見ると、上下に分かれたレインスーツ、丈の長いレインコート、さっとかぶれるポンチョなど、さまざまな商品が並んでいる。

「濡れにくそう」という理由だけで選びたくなるが、自転車ではフードをかぶった状態の視界や、裾がどこまで下がるかも安全に関わってくる。

この記事では、自転車で使うレインウェアを、視界・裾やひもの巻き込み・動きやすさ・タイプごとの違い・被視認性という安全面から、どのように確認して選べばよいかを整理する。

この記事でわかること

  • 自転車用レインウェアを「濡れにくさ」だけで選ぶと何が問題になるか
  • フードをかぶった状態で視界を確認する方法
  • 裾やひも類が車輪・チェーンへ近づかないかの見分け方
  • レインスーツ・レインコート・ポンチョで確認したい注意点の違い
  • 購入後に自転車へまたがって確認しておきたいポイント

結論|視界・巻き込まれにくさ・動きやすさ・見つけやすさを確認して選ぶ

自転車用レインウェアを選ぶときは、「雨に濡れにくいか」だけで決めないことが大切です。次の点まで確認して選びましょう。

  • フードをかぶった状態で周囲を確認できるか
  • 裾やひもが車輪やチェーンなど駆動部へ近づきにくいか
  • ハンドル操作やペダルをこぐ動きを妨げにくいか
  • 暗い時間帯でも周囲から見つけてもらいやすいか

そして、購入したら早い段階で実際の自転車にまたがり、フードをかぶった視界、裾やひもの位置、腕や膝の動かしやすさを一通り確認してから使い始めることが、自転車用レインウェア選びの結論です。

自転車用レインウェアは「濡れにくさ」だけで選ばない

玄関で自転車用レインジャケット全体を確認する人

レインウェアというと、「濡れなければよい」と考えがちです。しかし独立行政法人国民生活センターが自転車での使用について注意を呼びかけているとおり、普通に着る分には問題のないレインウェアでも、自転車にまたがった状態で使うと、視界や裾の位置に問題が出ることがあります。

自転車は、歩くときと違って車輪・チェーン・ペダルといった駆動部を持ち、上半身だけでなく脚も大きく動かします。レインウェアを選ぶときは、着ている本人の体だけでなく、こうした駆動部との位置関係まで含めて考える必要があります。

具体的には、周囲が見えるか、裾やひもが駆動部に巻き込まれにくいか、自転車の操作を妨げずに動けるか、という3点を軸に考えると、店頭や通販での見た目だけでは分かりにくい問題に気づきやすくなります。

たとえば、通販サイトで丈の長いポンチョを選んだところ、部屋の中で試着したときは特に問題を感じなかったものの、実際に自転車へまたがってみると、裾が後輪の近くまで下がってしまった、という場面が考えられます。立っているときと自転車にまたがったときとでは、布の位置が変わることを踏まえておく必要があります。

フードは左右・後方を確認できる形と調整機能を見る

フードをかぶって左後方を確認する自転車利用者

視界を確保できるかどうかは、レインウェア選びで特に見落としやすいポイントです。フードの形や調整機能によって、左右や後方の確認しやすさが変わってきます。

顔を動かしたときにフードも一緒についてくるか確認する

レインウェアのフードは、かぶっているだけで安全というわけではありません。国民生活センターの商品テストでも、フードの調整装備を正しく使わないと、首を左右に動かした際にフードが正面を向いたまま動かず、左右の視界が遮られることが確認されています。

たとえば交差点で右側を確認しようと顔を右へ向けても、フードがついてこず、視界の端が隠れてしまう場面が考えられます。調整機能が備わっている商品では、取扱説明書に従って正しく調整し、フードが顔の動きに追従するかを確認しましょう。「フードが付いているから大丈夫」ではなく、実際に首を動かして確かめることが大切です。

透明部分があっても視界全体を確認する

フードに透明なつば(バイザー)が付いている商品もありますが、透明部分があるというだけで視界が十分とは限りません。前方だけでなく、左右確認、後方の振り返り、信号の確認、足元やペダル周辺の確認など、実際に自転車へ乗る動作を一通り行って、見えにくい部分がないか確かめることが必要です。

消費者庁も、雨天時は雨粒やレインコートのフードなどによって視界が狭くなりやすく、周囲の音も聞こえにくくなる場合があると案内しています。透明部分の有無だけで判断せず、動作を通して視界全体を確認する姿勢が重要です。

裾やひもが車輪・チェーン・ペダルへ近づかないか確認する

停めた自転車の横でレインウェアの裾を確認する手元

視界と並んで確認したいのが、裾やひも類の位置です。国民生活センターの調査では、自転車との組み合わせによって、ポンチョやロングポンチョの裾、レインスーツのひもなどが駆動部に接触し、巻き込まれることがあると指摘されています。

長い裾は自転車にまたがった状態で確認する

丈の長いレインコートやポンチョは、立っているときには裾が地面から離れていても、自転車にまたがると姿勢が変わり、裾の位置も変わります。前輪や後輪、チェーン、クランク、ペダルの周辺まで裾が届いていないか、実際にまたがった状態で確認してください。

国民生活センターの商品テストでは、前かごや荷台がない自転車で、ポンチョやロングポンチョの裾が車輪へ接触した例が確認されています。前かごや荷台の有無を含め、同じレインウェアでも使う自転車との組み合わせによって位置関係が変わることを踏まえておきましょう。

ドローコードや収納袋のひもにも注意する

注意が必要なのは裾だけではありません。フードや裾を絞るドローコード、レインウェアを収納する袋のひも、留め具など、垂れ下がるものも確認が必要です。

たとえば、コンパクトに畳んだレインウェアを収納袋に入れて前かごへ置いたとき、袋のひもがかごの隙間から垂れ下がり、前輪へ近づいてしまうことがあります。国民生活センターも、収納袋のひもが前輪に接触して巻き込まれると、前輪が急に止まって転倒する可能性があると注意を呼びかけています。使う前に、ひもや留め具が垂れ下がっていないかを確認する習慣をつけておきましょう。

レインスーツ・レインコート・ポンチョは使い方に合わせて選ぶ

自転車で出掛ける前にレインスーツを手にする人

自転車で使われるレインウェアには、レインスーツ、レインコート、ポンチョなど形状の異なるタイプがあります。それぞれ形が違うため、どれか一つが常に優れていると考えるのではなく、使う自転車や場面に合わせて確認することが大切です。

レインスーツは上下が分かれたタイプ

レインスーツは、上着とズボンが分かれ、それぞれを着るタイプです。自転車で使うときは、ズボンの裾や付属するひもなどがチェーンやペダルの周辺へ近づいていないかを確認しましょう。

また、実際に膝を曲げたりペダルを回したりして、動きを妨げる部分がないかも確認します。上下を別々に着るため、着脱のしやすさを含め、自分の使い方に合っているかを見ることも大切です。

レインコートは丈と足まわりを確認する

レインコートを自転車で使う場合は、丈だけで判断せず、座ったときやペダルを回したときに裾がどこまで下がるかを確認し、車輪やチェーンへ近づいていないかを見ることが大切です。

足まわりの生地についても、実際にまたがってペダルを動かし、ペダルや車体へ触れたり、動きを妨げたりしないかを確認してください。

ポンチョは風と裾の位置を特に確認する

ポンチョは頭からかぶって使うタイプで、裾が広く、丈の長い商品もあります。国民生活センターの商品テストでは、風が強い状況で、前かごまで覆うよう前丈が長いロングポンチョの裾が舞い上がり、視界を遮る場合があることが確認されています。

前かご用の留め具が付いた商品では、取扱説明書どおりに正しく使用することが重要です。また、前かごや荷台の有無などによって裾と車輪の位置関係が変わることがあるため、自分の自転車との組み合わせも確認しておきましょう。

レインスーツ、レインコート、ポンチョにはそれぞれ形状の違いがあります。「このタイプなら一律に安全」と考えず、自分の使い方や自転車に合うかどうかを確認して選ぶことが大切です。

動きやすさと見つけてもらいやすさも確認する

レインウェアを着て腕の動きやすさを確認する人

レインウェアを選ぶときは、視界や裾だけでなく、実際に自転車へ乗る動作と、暗い時間帯に周囲から見つけてもらいやすいかも確認しておきたいポイントです。

腕・肩・膝を実際に動かして確認する

レインウェアを選ぶときは、サイズ表の数字だけで判断せず、実際に自転車に乗る姿勢を想定して動きを確認することが大切です。試着する際は、

  • ハンドルを握る
  • ブレーキレバーを操作する
  • 首や上半身を動かして後方を確認する
  • 膝を曲げる
  • ペダルを回す

といった動作を一通り試し、袖や肩まわり、脚まわりなどが動きを妨げないかを見ておきましょう。

暗い時間帯を走るなら反射材も確認する

警察庁は、夜間はライトを点灯し、反射材も併用するよう案内しています。自分から周囲を見るだけでなく、周囲から自分の存在に気づいてもらうことも大切です。

レインウェアを選ぶときも、反射材が付いているか、どの位置に付いているかを確認項目の一つにできます。ただし、「反射材付きでなければならない」という意味ではありません。反射材そのものの詳しい選び方や取り付け位置は、自転車の反射材はどこに付ける?夜に車から見えやすくする位置と選び方を解説で確認できます。

買った後は自転車にまたがって視界・裾・動きを確認する

停止した自転車にまたがってレインウェアの着用状態を確認する人

レインウェアは、玄関や部屋の中で羽織ってみただけでは、自転車で使ったときの様子までは分かりません。届いたら早い段階で、実際に自分の自転車にまたがり、次のような点を一通り確認しておきましょう。

  • フードをかぶった状態で左右を見る
  • 後ろを振り返る
  • ハンドルを左右へ動かす
  • ブレーキレバーを握る
  • 足を動かし、ペダル周辺の裾の位置を見る
  • 裾と前輪・後輪の位置関係を見る
  • ドローコードや留め具が垂れ下がっていないか見る
  • ポンチョなどの前かご用留め具を、取扱説明書どおりに使えているか確認する

「玄関で着てみて問題がなかった」というだけで終わらせず、実際に使う自転車との組み合わせで確認することが、レインウェア選びの最後の仕上げになります。

なお、雨や風が強く、視界や操作に不安を感じるときは、レインウェアを着ているからといって無理に自転車へ乗る必要はありません。雨の日の走行そのものについては、雨の日の自転車で気をつけたいこと|滑りやすい路面と見えにくさの安全対策で確認できます。また、消費者庁は、自転車の傘差し運転について、視野を妨げ、安定した運転操作ができず事故につながるおそれがあるとして注意を呼びかけています。傘差し運転の交通ルールについて詳しく知りたい場合は、自転車の傘差し運転は違反?片手運転の扱いと雨の日の安全対策をわかりやすく解説を参考にしてください。

まとめ|自転車用レインウェアは着た状態で安全確認できるものを選ぶ

自転車用レインウェアを選ぶときは、「濡れにくいか」だけでなく、次の点まで確認することが大切です。

  • 周囲を確認できるか
  • 裾やひもが車輪などへ近づきにくいか
  • 自転車の操作を妨げにくいか
  • 周囲から見つけてもらいやすいか

レインスーツ、レインコート、ポンチョにはそれぞれ形状の違いがあり、どれか一つが常に優れているわけではありません。

購入したら早い段階で、実際に自分の自転車へまたがり、フードをかぶった視界、裾やひもの位置、腕や膝の動かしやすさを一通り確認してから使い始めましょう。その一手間が、雨の日の自転車移動をより安全にするための確認につながります。

参考情報・出典